
Project
みらいの福祉施設建設プロジェクト
福祉×建築デザイン。
新たな支援の仕組みを作り、
地域にひらかれた福祉拠点を生み出す
日本財団はこれまで多くの福祉施設の整備を支援してきた知見を活かし、2021年より“福祉×建築デザイン”という新たな視点を取り入れたプロジェクトを実施しています。
プロジェクト概要
建築デザインの力で福祉を変える
日本財団は60年以上にわたり、多くの福祉施設の支援に取り組んできました。しかし、社会の変化に合わせて福祉施設のあり方が変わっていく一方で、未だ福祉施設は地域から閉ざされたイメージが根強く残っています。そこで日本財団では、福祉施設を地域にひらかれた、まちづくりの核となる場とするために、2021年より「みらいの福祉施設建設プロジェクト」を開始。新たな福祉施設のあり方を広く募集し、建築に対する支援を行っています。
プロジェクト詳細
担当者の気付きから生まれたプロジェクト
日本財団では日々変化する社会情勢に目を向け、新たな事業を創出する機会が常に与えられています。本プロジェクトは、建築デザインに地域性や事業者の想いが反映された福祉施設は、ケアの質が向上し、地域にとっても必要不可欠な場所となっていることに着目し、「これからの福祉施設には、建築デザインの力が必要だ」という、担当者の気付きからスタートしました。年次にかかわらず、新たな事業を提案できる。そして、良いと思った事業はスピーディーに実行し、試行錯誤を重ねていく。それが日本財団の強みです。
前例にとらわれず、新しい支援の仕組みを構築する
福祉施設の建築に対する支援は、行政などでも行われていますが、建築デザインを補助決定における評価の対象としているものは他に例がありません。本プロジェクト(助成金の募集)は福祉事業者と建築設計者が協働して申請することを条件とし、福祉と建築の両分野から構成された審査委員が評価を行っているユニークな取組みです。第1回の募集では450件超の申請があり、世間からの期待の高さをうかがうものとなりました。2024年4月までに3回の募集を実施し、計14事業の助成を決定しました。

効果検証を通じて、事業をより良いものに

本プロジェクトでは、助成金の決定と並行して有識者の協力を仰ぎ、こういった建築デザインの力で「地域に開かれた」福祉施設の有効性について成果検証を実施しています。その結果を踏まえ、事業を軌道修正しながら、今後の助成方針の検討や国への働きかけを進めていく予定です。
プロジェクト
関与メンバーの想い
知らない分野に飛び込む勇気をもって、インパクトを生み出す
閉鎖的なイメージのある福祉施設を変えられないか。その重要なファクターとして、建築のあり方に着目しました。日本財団は福祉業界での支援実績や知名度はありますが、建築業界はそうではありません。全く知識や繋がりがないところから、建築に関わる有識者に意見を仰ぐなどして情報収集を行い、あたらしい仕組みをつくるプロセスは、勇気がいるものでしたが、試行と修正に柔軟に対応できる財団だからこそできる仕事だと思います。
公益事業部 国内事業開発チーム
福田 光稀
