Works / People
社会課題解決を
目指す企業を見出し、
サポートするインフラ作り
経営企画広報部 広報チーム
チームリーダー
藤田 滋
Shigeru Fujita
Profile
英エセックス大学(政治学修士)、金融コンサルティング会社、国際協力団体での経験を経て2015年に入会。社会的インパクト投資、社会的インパクトの評価推進業務に従事。現在は広報チームで広告、SNSを担当。
入会後のキャリアステップ
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2015年
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入会、ソーシャルイノベーション本部 ソーシャルイノベーション推進チームに配属
社会的投資推進室にて社会的インパクト投資の推進事業を担当。
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2019年
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経営企画広報部 広報チームに配属
SNSや広告運用を通じたコミュニケーション業務を担当。現在広報チーム チームリーダー。
私の仕事
社会課題解決に挑戦しようとする企業を発掘し、投資する
日本財団では、もともと調査研究として投資の事業を行っていました。課題解決を担うような企業を発掘し、その企業が取り組んでいる課題解決の道筋を可視化して評価、その上で、投資をするというものです。日本財団自体は投資はできないのですが、関連団体として社会変革推進財団という別の財団があり、そこが主に投資の事業を担っています。
私が入会して担当したのは、経済的価値と並行して社会的価値を生み出す意図をもって行われる社会的インパクト投資(以下、インパクト投資)。その中でも、ソーシャルインパクトボンド(SIB)という、イギリスで始まった仕組みの案件組成の仕事で、従来は行政が行うような公共性の高い事業の運営を民間に委ねることで、官民連携して、社会課題の解決と行政コストの削減の両立を目指すものです。
日本初の事例。正解がない中、オープンな議論で推進
インパクト投資は日本では実施された事例もなく、どう進めていけば良いか、正解がないところからのスタートでしたが、日本財団には議論をオープンにできる環境があり、上下関係なくフラットに議論して決めていくことができました。投資に際して行う企業評価においても、各企業の課題解決アプローチはさまざまであるため、一つの指標で全ての企業を評価できるわけではありません。例えば、実際に投資に関わった乳がんの超音波検査機器を開発しているスタートアップであれば、乳がんによる死亡者数を減らすという経営者のミッションから「検診精度を高める」、「受診者の心理的障壁を無くす」など、より具体的なKPIまでブレークダウンをして、事業の有効性を確認し、評価をしていました。こうした評価を投資先企業それぞれに対して行っていました。
社会に生み出す価値を可視化し、評価する面白さ
金融・ビジネスの世界とソーシャルセクターの違いはたくさんありますが、一番大きな違いは「情報の圧倒的な差」です。金融・ビジネスの世界では「決算書」「アナリストレポート」などがありますが、ソーシャルセクターでは、どういった社会課題があり、どの組織が解決に取り組んでいて、どのような社会的価値を生み出しているかの情報が少ないです。また、会計はソーシャルセクターが生み出している社会的価値を表現するには不十分で、別の評価の仕組みが必要です。インパクト投資に関する業務に携わっていたときは、そうした情報生産のインフラ作りとして事業の評価に関する業務も担当していました。
企業が生み出している価値というのは、基本的には利益に現れ、決算書で可視化されます。一方、NPOや社会福祉法人が行っている社会課題解決の事業は、なかなか会計では表せない部分が大きく、この部分をどう可視化していくのかという取り組みは、とても面白く、やりがいがあります。
社会をよくするために、国を巻き込み、制度も変える
日本財団の特徴は、自分達で社会課題を特定し、解決のためのプロジェクトを起こし実行しながら、国も巻き込んで大きく事業化できる点です。1プロジェクトだけにはとどまらず、制度を変える、社会を変えるといった仕事ができることが、凄く魅力だと感じています。お客様が一企業ではなく、「社会」というより広い対象になります。例えば、インパクト投資の例では、金融庁なども巻き込んでいきました。
また、日本財団は中立な立場で、かつ企業・行政それぞれの論理や言葉がある程度分かるので、大きな枠組みで進める際の調整役になることが多くあります。我々には、ソーシャルイノベーションのハブという役割がありますが、やはり我々が中立でコーディネーションするからこそ、その役割が果たせるのではと思います。
私から見た、日本財団
金融の経験を社会貢献に活かす
学生時代は「国際機関職員」になりたいと政治の勉強をしてきました。卒業後は経済も学ぼうと金融系のコンサルティング会社に入って5年ほど働き、次は夢に近づこうと国際協力関係の財団に転職して、ODA事業の評価に関する仕事に携わりました。そして3年ほど経ったころ、日本財団に勤めている大学時代の同級生から一緒に働かないかと声をかけられたことが入会のきっかけです。
友人がいたのは、当時まだ日本で取り組みが始まったばかりのインパクト投資を調査研究する部署でした。友人と一緒に働くことができ、自分の金融の経験を社会貢献に活かすこともできると思い、日本財団に入りました。
課題解決のためには制度にも働きかける、スケールの大きさも魅力
入会前には見えませんでしたが、日本財団は、単純にお金を出しているだけではなく、自分たちで課題起点で考え、いろいろなパートナーと組んだり、ソリューションを練ったり、課題に対してゼロベースで何が必要か自由に考えて行動できます。社会制度を変えるほどの事業を推進しているスケールの大きさは、入会して初めて気付いたところでもあります。